公開: 2026年7月18日 / 最終更新: 2026年8月15日 / 著者: 営業実務ラボ編集部
商談レビューシートのテンプレート|15分で確認する項目
15分の商談レビューで確認する顧客課題、関係者、前進根拠、残リスク、次回アクションを、記入例付きのシートとして整理します。

先に結論
商談レビューシートは、受注できそうかを評価する表ではなく、顧客の目的、関係者、前進根拠、残リスク、必要な支援、次回アクションを15分で確認するために使います。会議後は決定した支援者と期限をSFAへ残します。
- ・レビュー対象を支援が必要な案件に絞る。
- ・顧客事実と営業仮説を分ける。
- ・支援者と期限を会議中に決める。
このテンプレートでできること
商談レビューを受注できそうかの詰問にせず、案件を前に進めるためにマネージャーが支援する論点を15分で特定できるようにします。
テンプレートは入力欄を増やすためではなく、現在地と次の判断を同じ言葉で説明するための共通フォーマットです。使い始める前に、誰が入力し、誰が確認し、いつ更新するかを決め、会議や引き継ぎで実際に使う項目だけを残します。
テンプレートの基本項目
| 項目 | 入力する内容 | レビューで確認すること |
|---|---|---|
| 顧客の目的 | 変えたい業務と期限 | 製品要望だけになっていないか |
| 関係者 | 利用者、責任者、決裁者 | 未接触の重要人物は誰か |
| 前進根拠 | 顧客が合意した事実 | 提案送付を前進扱いしていないか |
| 残リスク | 予算、競合、稟議、運用 | 確認方法が決まっているか |
| 支援要否 | 誰の支援が必要か | 担当者だけで解決できるか |
| 次回アクション | 相手、期限、目的 | 案件前進につながるか |
項目名は自社のSFAやスプレッドシートに合わせて変更して構いません。ただし、同じ意味の項目を複数作らないことが重要です。「確度」「温度感」「ヨミ」「見込み」のような似た言葉が並ぶと、担当者ごとに解釈が変わります。一つの項目には一つの判断だけを持たせ、定義を短い文章で説明できる状態にします。
自由記述は、背景を残すには便利ですが、比較や集計には向きません。選択肢で揃える項目と、顧客固有の文脈を残す記述欄を分けます。たとえばステージや支援要否は選択式にし、顧客の懸念や次回確認事項は短い文章で残します。
コピーして使える空欄テンプレート
次の表をスプレッドシートやSFAの下書きへコピーし、右端の入力欄を埋めてください。事実として確認できていない項目は推測で埋めず、「未確認」と入力して確認担当と期限を決めます。
| 項目 | 確認する内容 | 入力欄 |
|---|---|---|
| レビュー対象理由 | 大型、停滞、確度変更、支援要のいずれか | |
| 顧客の目的 | 変えたい業務、影響、実現したい期限 | |
| 関係者 | 利用者、推進者、責任者、決裁者、未接触者 | |
| 前進根拠 | 顧客が合意・実行・共有した事実 | |
| 残リスク | 予算、競合、稟議、運用、未確認事項 | |
| 支援要否 | 支援者、支援内容、期限 | |
| 次回アクション | 顧客側と自社側の担当者、期限、目的 | |
| 次回レビュー | 確認日と、確認時に判断すること |
15分レビューの時間配分
| 時間 | 確認すること | 決めること |
|---|---|---|
| 0〜3分 | 顧客の目的と前回からの変化 | 今回レビューする論点 |
| 3〜7分 | 関係者と顧客側の前進根拠 | 未接触者と確認すべき事実 |
| 7〜11分 | 残リスクと停滞理由 | 社内支援の要否 |
| 11〜14分 | 顧客・自社の次回アクション | 担当者、期限、成果物 |
| 14〜15分 | 決定事項の読み上げ | SFA反映者と次回確認日 |
時間が足りない場合は説明を延長せず、追加確認が必要な論点を別の支援会議へ切り出します。15分で結論を出すことより、次に誰が何を確認するかを確定することを優先します。
記入例
| 記入欄 | 記入例 |
|---|---|
| 顧客の目的 | 営業会議の集計を月2日から半日に短縮したい |
| 前進根拠 | 営業部長が現行フローと評価項目を共有済み |
| 残リスク | 管理部門がデータ移行工数を未確認 |
| 支援 | CSが初期設計例を提示し、AEが管理部門向け説明を設定 |
良い記入例は、第三者が読んでも次の行動を判断できます。「先方検討中」「感触は良い」のような表現だけでは、何を待ち、いつ確認し、誰が動くのかが分かりません。顧客側の合意、未確認事項、期限、担当者を一つのセットとして残します。
記入例をそのまま正解にせず、自社で実際に起きた案件へ置き換えてレビューします。受注案件だけでなく、停滞案件と失注案件でも入力し、どの項目が早い段階で分かっていれば判断を変えられたかを確認します。テンプレートの改善材料は、理想的な案件より、判断に迷った案件から得られます。
導入するときの進め方
- レビュー対象を大型、停滞、確度変更、支援要の案件に絞る。
- 担当者がレビュー前にシートを更新し、未確認事項を明示する。
- 15分で顧客目的、前進根拠、リスク、支援、次回行動の順に確認する。
- 会議後24時間以内に決定事項をSFAへ反映する。
最初から全案件へ展開せず、5件から10件程度で試します。入力時間、レビュー時間、判断が変わった場面を確認し、使わなかった欄を削ります。項目を追加するときは「この情報がないと、誰がどの判断を誤るのか」を説明できる場合に限定します。
運用開始後は、週次会議や引き継ぎの場で必ずテンプレートを開きます。別の会議資料へ転記させると更新箇所が増えるため、SFA、スプレッドシート、資料のうち正本を一つに決めます。会議中に決まった支援者、期限、次回確認日は、その場で正本へ反映します。
よくある失敗
- 受注できるかだけを聞き、顧客が判断できていない論点を確認しない。
- すべての案件を同じ時間で扱い、支援が必要な案件に時間を使えない。
- マネージャーが答えを指示し、担当者が顧客事実を話さなくなる。
- レビューで決めた支援者と期限が記録されず、翌週も同じ話をする。
項目数が多いほど管理が正確になるわけではありません。使われない項目が増えると、担当者はすべてを同じ優先度で扱えず、重要な次回アクションまで古くなります。入力を増やす前に、会議で使わない欄を削る方が改善につながります。
また、テンプレートを評価表としてだけ使うと、担当者は悪い情報を書かなくなります。停滞理由や未確認事項は、担当者を責める材料ではなく、支援を決める材料として扱います。入力内容から支援が生まれる経験を作ることで、情報の精度が上がります。
SFA・スプレッドシートへ実装する方法
スプレッドシートで始める場合は、一案件一行を基本にし、更新日、更新者、次回確認日を固定列にします。長い議事録を一つのセルへ入れず、顧客側の事実、営業仮説、未確認事項を分けます。入力規則を使う項目は選択肢を増やしすぎず、迷ったときの判断基準を別シートに置きます。
SFAへ実装する場合は、既存項目との重複を確認します。新しいカスタム項目を作る前に、会議やレポートでどのように使うか、更新タイミングをどこへ組み込むかを決めます。自動化できる会社情報や日付と、営業が顧客との会話から確認する情報を分けることも必要です。
どちらの場合も、月次で未入力率だけを見るのではなく、テンプレートを使って判断が変わった案件を振り返ります。支援を早く入れられた、失注リスクを早く確認できた、引き継ぎ後の聞き直しが減った、といった変化を確認します。
運用レビューのチェックリスト
- 顧客の目的と自社の提案内容が分かれている。
- 決裁者と利用部門の両方を確認している。
- 前進根拠が顧客の行動や合意になっている。
- マネージャーが行う支援に期限がある。
- レビュー後の次回アクションがSFAへ残っている。
チェックリストは、すべてを一度に満たすためではなく、次に直す一項目を選ぶために使います。会議のたびに複数の改善を求めると定着しません。今週は次回アクション、翌週は顧客側の関係者というように、確認対象を絞ります。
既存記事・資料との使い分け
背景や考え方は関連記事、会議や研修で配布する資料は記事下部の資料へ分けています。このテンプレートは自社の営業プロセスに合わせて不要な項目を削り、判断に必要な項目だけを残してください。
運用開始から1か月後には、入力された件数ではなく、テンプレートによって判断が早まった案件、支援を追加できた案件、確認漏れを防げた案件を各一件ずつ選んで振り返ります。変化が見つからない項目は削除候補にし、判断を変えた項目は定義と記入例をチームで共有します。
関連して確認する実務ガイド
- 案件レビューとForecast会議の違い: 一件を深掘りする会議と全体見込みを決める会議を分ける
進め方
実務で進める手順
手順 1
対象案件を選ぶ
大型、停滞、確度変更、支援要の案件だけを事前に選びます。
手順 2
顧客事実を確認する
感触ではなく顧客の発言や行動を前進根拠として確認します。
手順 3
支援を決める
誰が何をいつまでに支援するかを会議中に決めます。
手順 4
SFAへ戻す
決定事項と次回確認日を会議後24時間以内に反映します。
FAQ
よくある質問
商談レビューは全案件で行うべきですか?
全案件を均等に扱う必要はありません。大型、停滞、確度変更、支援が必要な案件を優先すると、短時間でも具体的な判断ができます。
15分で何を確認すればよいですか?
顧客の目的、関係者、前進根拠、残リスク、必要な支援、次回アクションの順に確認し、最後に担当者と期限を確定します。
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